日本版スチュワードシップ・コードでは、原則7において「機関投資家は、投資先企業の持続的成長に資するよう、投資先企業やその事業環境等に関する深い知識に基づき、当該企業との対話やスチュワードシップ活動に伴う判断を適切に行うた
企業価値向上
企業価値の向上は、全てのステークホルダーが望むところであり、成長戦略の根幹です。ここでは企業価値向上を様々な角度から考えます。このコーナーの内容は企業の経営者・IRの皆様だけでなく、機関投資家の皆様にも是非ご意見を頂きたと思います。ここで述べられている内容の1つ1つがエンゲージメントのアジェンダ(議題)となるでしょう。
ショートターニズムの正体
私は、ケイ・レビューで述べられているようにショートターニズムを「投資家と経営者が長期的利益の犠牲のもとに短期的利益を重視すること」と捉えていますが、日本におけるショートターニズムを考える上で気になるアンケートがありました
運用会社における議決権行使担当者の役割
スチュワードシップ・コードの導入などを受け、機関投資家はスチュワードシップ責任の遂行や適切な議決権行使が強く求められています。そのため運用会社はガバナンス担当の部署の設立や、コーポレートガバナンス・オフィサーと呼ばれる議
クックパッド監査委員の補足意見について考える
ある読者の方から、クックパッドの監査報告書の補足意見について投資家はどの様に見ているのかという質問がありました。この事案はガバナンスを考える上でも参考になる部分が多いと思いますので、考えてみたいと思います。 まず、クック
「自己資本」ではなく「株主持分」
スチュワードシップ研究会のホームページで木村祐基代表理事が『「自己資本」でなく「株主持分」と言おう!―東証・決算短信への要望(提言)―』という提言を掲載しています。日本の自己資本・株主資本・純資産などの呼び方は国際的にみ
株式保有構造の研究1〜安定株主〜
株式会社が資本多数決の原則を採る限り、株式の保有構造を理解することは重要です。株式の保有構造に関してはシリーズとして、読者の皆様のご意見ご批判を受けて書き足していきたいと思います。まず、第一回は安定株主について、なぜ企業
読み手を意識した統合報告1〜従業員〜
統合報告書の読み手としては、まずは投資家が意識されます。しかし、第一回目ではあえて従業員を取り上げてみたいと思います。その理由は2つあります。1つは重要なステークホルダーであり、人的資本である従業員を意識した統合報告は、
東京オリンピックは7月総会のきっかけになるか
日本の株主総会に関して企業が取り組むべき項目について常に挙げられるのが、株主総会開催日の分散化と、招集通知の早期開示です。株主総会の6月集中は世界各国の中でも日本にしか見られない問題であり、近年、政策当局からも問題提起が
長期投資家が行う長期予想
私は株式投資を行う際に必ず投資先企業の長期予想を行います。しかし、多くの投資家は四半期先の事も不透明なのに5年先10年先の事が解るはずないと考えています。では、四半期先の事も分らない企業の業績を、長期視点の投資家はどの様
Comply or Explain
スチュワードシップ・コードとコーポレートガバナンス・コードはプリンシプルベース・アプローチ(原則主義)であるとされ、Comply or Explain(原則を遵守するか、遵守しない場合には理由を説明するか)という方式が採