コーポレートガバナンス・コードでは原則5-1において、株主との建設的な対話を促進するための体制整備・取組みに関する方針を検討し、開示すべきであるとしています。すべての株主と対話を行うことは現実的ではないため、誰がどのよう
コーポレートガバナンス
機関投資家から見た場合、コーポレートファイナンス改革は最も期待されている成長戦略の1つです。このコーナーでは投資家がなぜコーポレートガバナンス改革を望んでいるのかを丁寧に解説します。ルールで縛られるのではなく、自ら考え実践していく事が求められている今回のコーポレートガバナンス改革は、投資家が何を考えてそれを求めているのかを理解する事が不可欠です。
クックパッド監査委員の補足意見について考える
ある読者の方から、クックパッドの監査報告書の補足意見について投資家はどの様に見ているのかという質問がありました。この事案はガバナンスを考える上でも参考になる部分が多いと思いますので、考えてみたいと思います。 まず、クック
株式保有構造の研究1〜安定株主〜
株式会社が資本多数決の原則を採る限り、株式の保有構造を理解することは重要です。株式の保有構造に関してはシリーズとして、読者の皆様のご意見ご批判を受けて書き足していきたいと思います。まず、第一回は安定株主について、なぜ企業
東京オリンピックは7月総会のきっかけになるか
日本の株主総会に関して企業が取り組むべき項目について常に挙げられるのが、株主総会開催日の分散化と、招集通知の早期開示です。株主総会の6月集中は世界各国の中でも日本にしか見られない問題であり、近年、政策当局からも問題提起が
Comply or Explain
スチュワードシップ・コードとコーポレートガバナンス・コードはプリンシプルベース・アプローチ(原則主義)であるとされ、Comply or Explain(原則を遵守するか、遵守しない場合には理由を説明するか)という方式が採
「少数株主」としての機関投資家の思考
コーポレートガバナンスの議論を行う際に「少数株主の権利」という視点は欠かせません。トヨタAA株式などでの少数株主の権利が議論されたのは記憶に新しいと思います。ところが、ある方から「機関投資家は大株主なのにどうして少数株主
新興企業の経営目標
コーポレートガバナンス・コードでは企業に中期目標を示し、それが達成できなかった時にはその理由を説明すべきとしています。しかし、収益基盤が不安定な新興企業にとって、コミットできる目標の開示は容易ではありません。高過ぎる目
社外取締役は業績にプラスのインパクトを与えるか
日本企業は社外取締役の導入には否定的な企業も多かったですが、その数は年々増加しており、会社法改正やコーポレートガバナンス・コードもあり、2015年6月末には東証一部の約95%の企業が社外取締役を導入しています。この様に
株主総会の位置づけに関する日米比較
株主総会のあり方について議論が活発になっています。コーポレートガバナンス・コードでも原則1ー1株主の権利の確保の保有原則②の中で、コーポレートガバナンスの体制が整っている事を条件に総会決議事項の一部を取締役会に委任するこ
株主至上主義はショートターニズムにつながるか
コーポレートガバナンスにおける株主の重要性が強調されると必ず出て来る議論が、株主至上主義とショートターニズムの関係です。米国でもヒラリー・クリントン氏が、長期的な視野に基づく経済活動の奨励を自身の経済政策「ヒラリーミック