みなさんはパーソナルスタイリストという仕事をご存知ですか?
私は、ある異業種交流会に参加した際に、望月さんから聞き初めて知りました。
望月さんは、パーソナルスタイリストとGoogle 検索すればトップページに上がり、いくつかのメジャーな女性誌でも取り上げられる、新進ではありながら、注目をされているパーソナルスタイリストのひとりです。
パーソナルスタイリストという仕事を最初に聞いた時、私は単なる趣味の延長のようなものかと思ったのですが、話せば話すほど望月さんの熱心な思いが伝わってきました。また秘書という安定した仕事を辞め、いわば退路を断ってパーソナルスタイリスト一本でやっていくという決意を聞いて驚きました。
今回は、まだ30歳そこそこだったと当時一旦ひっこめてしまったその夢に40半ばを過ぎてから再度目覚めて、望月さんが選んだパーソナルスタイリストという職業とキャリアを紹介したいと思います。
Q1:まずはパーソナルスタイリストという仕事を教えてください
私が行っているパーソナルスタイリストの仕事は、スタイリストといっても、著名人などではなく、一般個人の方の日常のお洒落のお手伝いをするお仕事です。具体的には、カウンセリングでお洒落のご相談にのったり、ショッピングをご一緒したりすることで、コーディネートや印象アップのサポートさせていただいています。
年齢を重ね、ライフステージやルックスが変化してくることで、今の自分にとっていったい何が本当に似合い、何が魅力を引き出してくれるファッションなのか、迷子になってしまわれる方が少なからずいらっしゃるんですね。
カウンセリングを行って、丁寧なヒアリングの他に、骨格診断やベースカラーの診断などを用いて、その方の好みやなりたいイメージと、体型などの個性を活かすバランスから、おひとりおひとりにカスタマイズさせた、パーソナルなスタイリングのご提案をしています。
外見を変えることで、お仕事やプライベートが充実し、その方のライフステージがアップするようなご提案を心がけています。
Q2:望月さんがYAYA STYLEというビジネスを始めるまでのキャリアを教えていただきたいと思います。新卒入社の会社こそアパレル商社であったものの、その後のキャリアは意外にも、アパレルとはまったく無縁な業界だったそうですね。
大学卒業後、アパレル商社に勤務し、ハイブランドの商品に身近に接する機会がありました。その後、日系/外資系企業の会長・社長、弁護士などの秘書の仕事をしてまいりました。でも、小さい頃から、服に限らず、アートやデザインなど、美しいものに触れ、美しいものを追求するということが好きでした。大学を卒業し、就職して、事務的な業務をしていくなかで、自分の感性を活かし人を助けることができる仕事がしたい、という想いがどんどん大きくなっていったんです。当時いろいろ調べて、人の印象アップのお手伝いをする、イメージコンサルタントという仕事があることを知りました。でも、当時は、自分でそれをビジネスにしていけるノウハウも、自信もなくって…、
2013年より株式会社レアリゼスタイル代表取締役の三好凛佳氏に師事しまして、2015年よりパーソナルスタイリスト「YAYA STYLE」として本格的に活動を開始いたしました。
現在は、ファッションコンサルティングやショッピング同行、ファッションセミナーや企業研修などのサービスを行っています。ほかには、WEBでファッションコラムを担当させていただいたり、2015年9月からは、ファッションアドバイザーとしてQVCに出演しております。これまでは、秘書の仕事をしながら、休日など就業時間外に副業としてパーソナルスタイリストの仕事をしてきましたが、本格的に取り組んでいくには副業としてではなく独立して気持ち的にも退路を断つことが大事と考えて独立することにしました。
一方で、ファッションとはまったく無縁のようであった秘書などの仕事も、様々な職種のオフィスのリアルな現場や、一流のビジネスパーソンの方々と接する経験をいただけたことで、現在のオフィスコーディネートのアドバイスにとっても役立っています。人生の経験には、無駄な事などはないのだと、つくづく実感しております。
Q3:起業するにあたっては不安も多かったと思いますが、どのようなことが大変でしたか?
副業としてパーソナルスタイリストの仕事をさせていただいていたときは、週末がほとんどパーソナルスタイリストのお仕事で埋まってしまっていたため、ただただ無我夢中でした。結果として、独立起業への流れが自然とできて行ったのだと思います。また、この仕事は資本金が必要となるビジネスではないので、資金面での難しさはありませんでした。とはいえ、やはり季節によって仕事の繁閑などもあるので、収入の安定性では難しい面もあります。ですが、こうした美を扱う仕事は、すべての時間を仕事で埋め尽くすのではなく、自分の感性を磨く時間がとても大切なのだと、師匠から教わりました。いろいろなモノやコトに触れ勉強して、自分の幅を広げるようにしようと思っています。と言っても今のところ、結構予定が入り、仕事に追われてしまっていますが・・・
Q4:仕事でやりがいを感じるのはどんな時ですか?
やはり、クライアント様に満足していただけるご提案ができた時です。クライアント様が「悩みが解決できた!」とおっしゃってくださったり、お買い物を楽しんでおられるご様子が伝わってきたりしますと、このお仕事をして本当によかった!と思います。
また、ショッピングからずいぶん経った後でも、購入されたお洋服を周囲の人に褒められて自信がついた!お洋服を変えて、こんな変化があった!などご連絡をくださるクライアント様もいらっしゃいます。これは、本当に至福の時間です。
私が得意としているのは大人のエレガントで洗練されたスタイリングなのですが、これは、決して奇抜なファッションではなく、「普通なんだけど、どこかお洒落」と周囲が感じるようなコーデだと私は思っております。
クライアント様のライフスタイル、雰囲気等、トータルな視点からアプローチさせていただくので、ただ単にお洒落なお洋服をご提案する、ということではなく、結果としてクライアント様の印象がアップして、お仕事やプライベートが充実し、ステージアップされますように、という想いでいつもご提案させていただいております。
Q5:10年後、どんな自分でいたいですか、またビジネスはどのような状況にしていたいですか?
パーソナルスタイリストとしての実力を高め完全にこのお仕事でやっていけるようになることが当面の目標です。
また、センスだけに頼るのではなく、しっかりとした知識から、着こなしのアドバイスやコーディネートができるようなスタイリストになるのが目標です。
現在、本格的なメンズスーツの着こなしをご提案できるよう、スーツスタイリストの資格の勉強もしています。スーツも、本当に似合って、力を引き出せるスーツを提案することが出来ると考えています。
10年後には、より専門的でパーソナルなスタイリングをご提案でき、ある意味ファッションを超えて、心豊かな生活をお手伝いできるようなスタイリストに成長していたいです。
Q6:幸せな人生を送る(幸せに仕事をするでもいいです)ために大切にしているルールはありますか?
自分に正直になる、自分を知ることを大切にしています。日々の生活の中で、どんなに小さいものでも、自分の「好き」について自分に問う、簡単に妥協しないで丁寧に選ぶ。この選択の作業の繰り返しで、みえてくる自分があると思っています。例えば服に関しては、その作り方にもこだわります。いくら安くても、ひどい環境で作っていいわけではありません。ファストファッションの服でも、安いから買うのではなく、心から気に入ったから買う、そして、気に入って買った好きなものを、大切に着ることが大事だと思っています。ですから、どんなものでも、ちゃんと好きなものを買って着て欲しい。丁寧に買って、その服を愛をもって着倒して欲しいと思っています。
食べ物、人、モノなどについても、自分の感覚を大切に、自分の価値のポイントを探ることを毎日続けていきたいと思っています。
自分を知ると自分にとっての幸せの形がみえてくる。これが幸せになる秘訣ではないでしょうか。
Q7:自己研鑽で心掛けていることはありますか?
なんでも、感性を刺激し、心に響くものに触れることでしょうか。いい絵や写真や風景。映画を観る。美しいものに触れる。会いたい方に会う。人生のすべてのシーンで1つ1つを大切にして感性を磨くようにしています。
Q8:どうすれば女性はもっと世の中で活躍できるでしょうか
自分の想いに背を向けない。これは、困難なこともありますが、信念をもって、決して諦めないこと、続けること。これが一番なのではないでしょうか。
そして、やはり、男性の理解や協力も欠かせないのではと思います。
男性と女性が互いに刺激しあい、助け合い、ともに成長していけるような世の中が理想です。
Q9:最後に、将来的にはどのような自分になりたいですか?
私の憧れの女性に、20代のころ旅行で訪れたニースで見かけた、ピンヒールを履いた白髪のマダムがいるんです。お年を召してもピンヒールを履いて、お洒落を楽しむ女性。日本の方では、島田順子さんに憧れます。いくつになっても自分を、そして、女性であることを楽しんでいるような、カッコよく艶っぽさを失わない、そんな、おばあさんになりたいと思っています。
様々なしがらみから解放された、解き放たれている女性になれるよう、ビジネスシーンを広げていきたいと思っています。
まだまだ若輩者ではありますが、ファッションを通じて世の中がもっと元気にすることが私の目標です。仕事を通じて素敵な女性になれるように、自分の感性を信じて仕事の領域を広げていきたいと思っています。
望月さんのお話を聞いていると、本当に自由に好きなことを純粋に追求してきたのだなと感じます。現在、取り組んでいる仕事は、人が衣食住に困っている状態の時には生まれないビジネスだと思います。しかしながら、物的に生活が満たされた現在、人がより満足の出来る生活を求めるようになってくるとこのようなプラスアルファーのニーズが生まれてくるのだと思います。また、この仕事は男性だけで行ってきた仕事の延長では決して生まれることのなかった仕事だと思います。これは、まさに新しい需要を生み出していると言えるのかもしれません。
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